ベッドサイドのオレンジっぽい色のライトがシーツ一枚の翔梧を横から照らす。整った姿形の影が立体的に美しく映し出されていて、思わず見とれてしまう。

「俺に聞きたいこと、ない?」

「え……?」

 少し放心していた。突然の質問に、聞きたくて聞けないことがありすぎて黙り込む。
 
「沙耶の店に行ったって春菜から聞いた」

 まっすぐに見つめる色素の淡い澄んだ瞳。

「何にも言わないんだな。俺の本当の年のこと、聞いたんだろ?」

「……うん」
 
「……どう思った?」
 
「え、びっくりしたよ」

「……そんだけ?」

 眉を上げて聞き返す。気のせいか少し苛立ってるように見えた。