しばらく呆然と携帯を見つめる。 留守電は三回も聞いてしまった。 『河野 翔梧』 ――間違いなく彼だ。 記憶の糸を手繰り寄せてそう言えば番号交換したことをやっと思い出した。一番酔っていた時だった。 でも、 まさか 本当に連絡が来るなんて……。 留守電の声が耳に残る。少し緊張した、まっすぐで正直な声。嘘や悪い冗談だとは思えなかった。 それでも、しばらくは葛藤するように携帯を握りしめていた。