「沙耶、帰ろ?」

 手を握って顔を覗き込まれた。

「雨でびしょ濡れで、気持ち悪いし。――ここじゃ俺のキモチは伝えきれない」

 そう言う、雄の顔の翔梧に捕まれる心臓。さっきまで子供みたいな顔をしてたくせに。

「今夜は覚悟して」 

 耳まで赤くなる私を見て、妖艶に笑う翔梧。本当に心臓持たないよ。翔梧にかかると、なんでもない毎日が輝いて煌めきだす。色んな表情をもつ彼からもう目が離せない。彼しか見えなくなる。



「沙耶、帰ろ?」

 手を握って顔を覗き込まれた。

「雨でびしょ濡れで、気持ち悪いし。――ここじゃ俺のキモチは伝えきれない」

 そう言う、雄の顔の翔梧に捕まれる心臓。さっきまで子供みたいな顔をしてたくせに。

「今夜は覚悟して」 

 耳まで赤くなる私を見て、妖艶に笑う翔梧。本当に心臓持たないよ。翔梧にかかると、なんでもない毎日が輝いて煌めきだす。色んな表情をもつ彼からもう目が離せない。彼しか見えなくなる。

 繋がる手。その体温。翔梧との何もかも甘く溶ける魔法の時間が。一分でも、一秒でも永く続くことを信じて。これからは二人で創っていく。滴り落ちるような甘く輝く

――未来を。