近くにいるのに、時々しかはっきり見えない彼の綺麗な顔。チューナーの壊れたラジオみたいに耳元で大きく小さく聞こえる声。現実離れした状況と、リアリティーの無い相手に、私は数杯のカクテルで酔っぱらっていた。 意識はある。 記憶もある。 ――でも確実に酔っていた。 それに気づいたのは、 彼の甘い唇が 私のソレと 重なった瞬間。