「正直にいうけど、こんな気持ち生まれて初めてなんだ……」

 翔梧の心臓の音が大きく、早く、背中に響く。

「――なんか、上手く言えないな。ただ。誰かを……こんなにも必要だと、思ったことないんだ」

 不器用な二度目の告白が、乾いた胸に染み込んでいくのを感じた。気づけば涙がこぼれていた。

「私は、こんなに自分が弱い人間だとは知らなかったよ。今まで一人でも全然平気だったのに、翔梧に出会ってからは一人を孤独だと感じるようになった……」

 鼻声で喋りながら、次々に頬を伝う涙を拭う。臆病者な私はずっと自分だけが大事で相手のココロなんて見てなかった。

 初めて向き合いたいと思った人。それが、翔梧だったんだ。そして、カラダを反転させて翔梧を抱き締めた。カラダが繋がっている時もずっとココロの距離はいつも遠かった。

――やっと今、0メートル。