その彫刻のような美しさに改めて息をのんだ。

――翔梧……!?

 まだ、なんで彼がここにいるのか理解できない。

「な……んで」

 呼吸を忘れてただ目を見開く。

「なんで? それはこっちのセリフ」

 その声色は低く、怒気を含んでいた。

「俺に何も言わずどこいく気?」

 その強い視線に囚われて、言葉の意味をはっきり理解出来ない私は、ただ瞬きを繰り返すばかりだった。