――え……。

 聞こえてきたその声に言葉に私はゆっくり横を見る。まるで幻でも見るように隣に座る彼を眺めていた。

「……また声、無くしちゃった?」

 含みのある笑いに聞き覚えのあるセリフ。明るいアッシュ系の髪色柔らかい癖のある髪が日に照らされてきらきら光る。透き通るような肌。

 しっかりとしたその眉のすぐ下にある少し垂れた色素の薄い目を細めて私を見てる。