私は山内さんを傷つけてばかり。 いつも元気をもらって、落ち込む私を助けてくれた人なのに。 「本当は、こんなに急かすつもりなかったんだ。もっとゆっくり、僕の方を見てくれたら……そう思ってた」 ぼやけて滲むカクテルの氷が溶けて揺れる。 「今日、はっきりと辞令が下りた。九月から、本社に転勤することになった。行ったら何年居ることになるかわからない。海外勤務になることもあるしね……」 本社? 海外? 思いがけない言葉に顔を向ける。 まっすぐに私の目を見たまま、山内さんが言う。