干物女だった私に彼は夢を見させてくれた。
 これでいいんだ。このまま消えよう。
 相手はいくらでもいるのに、七つも年上の私に彼は十分すぎるくらい付き合ってくれた。

 バイバイ翔梧。

 ありがとう……。

 私は、思い出と彼への想いを置き去りにして、すっかり日の傾いたその場を後にした。