夢だと思った。


あたしなんかのために来るはずが無い。


突き放されるのが怖くて逃げようと思った。


けど……。


「京…。」


彪兎があたしを抱きしめた。


「大丈夫かよ?」


涙が出てきた。


「…ご…めん」


「何で謝るんだよ。お前は何も悪くない。
大丈夫か?怖かったよな。」


あたしが泣き止むまで、ずっとそばにいてくれた。


何度も「大丈夫だから」って言ってくれた。