「…っ、…はぁっ、無駄打ちさせないでよね…ん」


カノーが狙ったのは対峙した敵ではなく、仲間を捕えている結界。



『……結界、壊れちゃった…』


黒い炎が寂しげにつぶやいた。


「アンタが結界けっかいケッカイが大好きな閉じ込め変態だってことはもう分かってんのよっ!!」


きいぃっとカノーがキレている。


「落ち着いてカノー、ここから立て直しますよ」


「カロちゃん大丈夫?ケガしてない?!」


「……えぇ」


大丈夫、ではないが。アバラにヒビが入った、痛みが集中力を乱す。


「…兄貴っ!コイツ斬っても手ごたえがない!ストークちゃんっ、アタシたち消耗が激しい、攻撃は(アタック)は任せる!!」