そんな思い出の人からの電話。
どうして番号を知っているのか、どうして今さら電話をしてきたのか、そして…どうして泣いていたのか。
すべてが謎だらけだった。

結局あの子は現れないままで、僕は仕方なく家へ帰った。
そしてその日の夜、電話がかかってきた。


「もしもし」

「今日はごめんなさい。どうしても行けなくて…」

「いいよ。仕方ないから」

「長い間、ホームで待ってくれてたのに…」

「え、なんで…」



 その瞬間、電話が切れた。
何が何だかわからなくなって、電話に残っている履歴見ようとボタンを押したが、履歴は1つも残っていない。
『おかしい』そう思った僕は、高校時代の友人に急いで電話をかけた。