運転席が左で、助手席が右にあるから変な感じ。
ご主人様の車は部屋と同じで凄くシンプル。
物がほとんどない車内。
オーディオからは洋楽が流れててる。
先生の車と同じホワイトムスクの香りがする。
私はチラッと目だけで、ご主人様を見た。
運転してる横顔が美しい。
ハンドルを握る骨張った手が凄く綺麗。
「凛子?」
「あ、は、はい」
突然、名前を呼ばれてビックリして大きな声で返事をした。
「何が食べたい?」
「あー……えっと……何でも……」
「嫌いなものある?」
「いえ、特に……」
「じゃー、俺に任せてくれる?」
「はい」
ご主人様が私の方をチラッと見ると優しく微笑んだ。