『佐々木?どした?』 5回目のコールが終わる頃、彼はそう言って電話に出た。 「…………せん、せ?」 電話の相手は、今日まで私のクラスの担任の間宮京介(マミヤ キョウスケ)だった。 『佐々木?何かあったのか?』 耳元に響く低いけど優しい声の先生。 先生の声を聞いた途端に抑え切れない感情が溢れ出した。 『佐々木?泣いてんのか?』 「先生?」 『ん?どした?』 「……助けて?」 私は泣きながらそう先生に訴えていた。