「お腹、空かない?」


「えっ?……あー……」



そう言えば、朝ご飯もお昼ご飯も食べてなかったんだ。


正確には昨日、カップラーメンを食べてから何も食べない。


ご主人様に怒られなかった安心感からか、私のお腹の虫が急に鳴きだした。


"キュルルル"


ご主人様にも聞こえるようなお腹の虫の鳴き声。


恥ずかしくて、お腹を抑えて下を向いた。



「お腹空いてるんだ?」



ご主人様のクスクス笑う声が聞こえる。


余計に恥ずかしくなって、顔が熱くなっていく。



「あ、あの……何か、作りますね……」


「外に食べに出よ?」


「えっ?」



ご主人様の意外な言葉に顔を上げた。



「なっ?」



そう言って、ご主人様は優しく微笑んだ。



「でも……」



ホントにいいの?



「俺が外に食べに行きたいから……だから付き合って?」



あ、そういうことか。


でも私なんかじゃなくて、彼女を誘えばいいのにな……。


なんて、思う私は嫌な女だ。