「凛子?俺は別に怒ってないよ」
「えっ?」
ご主人様を見ると、さっきの無表情の顔じゃなく、いつもの優しい顔のご主人様に戻っていた。
「朝、起きたら凛子がいないから心配で……。携帯に電話したりメールしたりしたんだけど、留守電になってるし、メールの返事も来ないし……」
「あっ!」
そこで初めて、携帯の電源を入れてないことに気づいた。
私は鞄から携帯を出して電源を入れた。
「私、寝るとき、電源切るんです……。今日、起きてから電源入れるの忘れてました……」
「何だそうだったのか……。俺、何かあったんじゃないかって……」
「すいません……」
携帯を見ると、確かにご主人様からのメールが受信されてて、着信履歴が記録されていた。



