「…………あ、あの……その……」
何て言えばいいのかわからない……。
「どこ行ってたの?」
「友達の家に……」
咄嗟に出た嘘。
先生の……しかも男の家に行ってたなんて正直に言う勇気がなかった。
「そっか……」
相変わらず無表情のご主人様。
ご主人様が何を考えてるのか、怒ってるのか見えて来ない。
私はクビになるんだろうか……。
たった1日でクビになって追い出されるのか……。
「あ、あの!ゴメンなさい!申し訳ありませんでした」
私は頭を深々と下げた。
「凛子?頭を上げて?」
ご主人様にそう言われて、ゆっくり頭を上げる。
頭を上げた時、一瞬だけど目が合った。
でも私はすぐに目を逸らしてしまった。



