そう言えば……今、何時くらいなんだろう……。
部屋に戻ると、布団は畳まれて角の方に置かれていた。
先生はソファーに座り、美味しそうにコーヒーを飲んでいる。
「先生?」
「ん?」
「今、何時?」
「今?」
先生はテーブルに置いてあった携帯を取った。
「11時35分」
先生は時間を私に告げた後、携帯を閉じてテーブルに置いた。
11時35分……。
時間を聞いて、顔面蒼白になっていくのが自分でもわかる。
背中にツーと変な汗が流れる。
「佐々木?」
固まったまま動けない私に先生が心配そうに声をかけてきた。
「……しよ……。先生……どうしよ……」
「どうした?」
「せ、先生!わ、私、帰らなきゃ!今すぐ帰らなきゃ!」
パニクる私。
ご主人様が起きる前に帰るつもりだった。
なのに起きたらお昼前。
あぁ……何てことしちゃったんだ私は……。



