「先生、おやすみ」
「あぁ」
目を閉じて寝ようとした時、天井から"ギシギシ"と聞こえてきた。
一定のリズムで。
でも時々、リズムが早くなったり遅くなったり……。
「せ、先生!?天井がギシギシ言ってる」
私はガバッと布団から上半身を起こした。
「チッ!今日もかよ!万年発情期か!ったく……」
そうブツブツ言う先生もベッドから上半身を起こした。
そして「これ?」と天井を指差す。
私はコクコク首を縦に振った。
「2階の住人は新婚だからなぁ……」
「えっ?新婚……さん?」
「あぁ。早く子供が欲しいんじゃねぇの?だから毎晩、頑張ってんだろ。でも下の住人のことも考えろってーの!」
「子供?頑張ってる?」
新婚さん……子供……。
ん?
先生の言った意味を考えてると、今度はギシギシのリズムに乗って、女の人の声が聞こえてきた。
泣いてるような……苦しそうな……叫んでるような……。
まるで、母親が男を連れ込んでセックスしてる時に母親が出す声に似てる……。
そして、さっき先生が言ったことを思い出す。



