お茶が半分になったペットボトルをテーブルに置いた。
先生はスーツを着たまま部屋を片付けてる。
そう言えば、ここは先生の家で、この中には先生と2人きりなんだ……。
そう思うと、急に胸の鼓動が早くなった。
私はソファーの上に足を乗せて膝をかかえた。
そして先生が動くたびに、そちらに目を向けた。
「佐々木?」
「は?え、へ?」
急に呼ばれて変な返事をしてしまった。
「へ?って何だよ」
先生がクスクス笑う。
「だって先生が急に話しかけるから……」
「お前さぁ、俺のこと警戒してるだろ?」
「えっ?」
バレてる?
「バレた?って顔してんな?てか、バレバレなんだよ」
先生はそう言って"チッ"って小さく舌打ちした。
「襲わねぇから安心しろ」
「えっ?」
そう思わず口から出たのを聞いて先生が私を見た。
そして……。
「何だ、襲って欲しかったのか?」
って、ニヤリと笑った。
「と、とんでもございません!」
私は首を左右にブンブン振った。
そんな私を見て先生はクスクス笑っていた。



