玄関を入って、廊下を奥に進んだとこにあるドアを開けると、1DKの空間が広がっていた。
「…………汚い」
そう思わず口に出して言ってしまうほど先生の部屋は散らかっていた。
奥の窓際に置かれたベッドの布団はグチャグチャ。
ソファーの上には脱ぎ捨てられた服が散乱してる。
ソファーの前に置かれたテーブルの上は物とビールの空き缶とタバコの吸い殻がテンコ盛りの灰皿があった。
ダイニングキッチンの方は、ダイニングテーブルはない代わりにフローリングの床には物が散乱してて、キッチンもここから見る限りは汚い。
何、この部屋は……。
こんなとこに人間、住めるの?
何か病気になりそう。
「先生?」
「あ?」
先生がテーブルの上の物を片付けながら返事をした。
「こんな部屋に彼女を連れて来たら泣くよ?」
「彼女がいねぇからこんなになってんだろ?」
「あ、そっか……」
先生、彼女いないんだ。
と、妙に納得した自分がいた。



