頼れる人は誰もいない……。
親友も友達も親戚も。
これから私は独りぼっちで生きていかなければならないのかな……。
それとも一層のこと、この橋から身を投げた方が楽になれるのかな……。
微かに手が震え、橋の欄干を握っていた手の甲にポツリと雫がこぼれ落ちた。
あの人から出て行けと言われた時には涙も出なかったのに……。
何で今更……。
私は手の甲で涙を拭い、斜め掛けの鞄から携帯を取り出した。
メモリに1件だけ登録してた人の事を思い出した。
メールも着信履歴も発信履歴もその人の名前だけで埋めつくされていた。



