「………なわけねぇだろ?」
先生は少し不満げにそう言った。
「じゃー何で私にそんなこと言ったの?私のこと好きなの?」
「嫌いじゃない。佐々木のこと……」
「えっ?」
先生が私を見つめたままそんなこと言うから、恥ずかしくなって思わず下を向いてしまった。
「佐々木は俺の可愛い生徒だから。卒業しても可愛い生徒には変わりないから……」
あ、そうなんだ……。
そう言うことなんだ……。
私のこと、女としてではなく生徒として嫌いじゃないんだ。
そう思うと、下を向いた自分が急に恥ずかしくなった。
でも、先生が傍にいてやらなきゃって思ってくれたことが嬉しかったのも事実で……。
「先生、ありがとう……」
そう下を向いたまま呟いた。
「おっ?何だ、やけに素直じゃねぇか」
先生はそう言ってクスッと笑った。
「もぉ!先生の意地悪……」
先生?
今日だけでいいから……。
今日だけ、ご主人様のことを忘れさせて?



