【先生×生徒シリーズ】運命のトライアングル





「離して!」



そう言っても手を離さない先生。


それどころか、掴んでる手に力が入っていく。



「痛い!離してよ!」


「離さない」


「何で?だって嫌なんでしょ?迷惑なんでしょ?」


「車から降りて、何処に行くんだ?帰りたくないんだろ?」


「私が何処に行こうが、誰と一緒に一夜を過ごそうが関係ないでしょ?」



私が泣きながらそう言った後、先生は再び溜め息をついた。


そして、私の手を助手席から離すと、その手をそのまま引っ張った。


香水の爽やかな香りとタバコの匂いが鼻を掠める。


一瞬、何が起こったのかわからなかった。


顔を上げると、先生が優しい顔で私を見下ろしていた。


その時、先生の胸の中にいるってことに気付いて、急に胸が熱くなった。