【先生×生徒シリーズ】運命のトライアングル





「なぁ、佐々木?」


「ん?」


「働いてるとこってどこ?」


「えっ?」



自分の顔が強張っていくのがわかった。



「送って行くから……」


「や、やだ……」



私は首を左右に振った。



「どうして?ご主人様、心配してるぞ?」



先生の言葉に尚も首を左右に振る。


心配なんかしてないよ……。


私のことなんか……。


あの女がいるとこになんかいたくない。


あの女が甘えたりイチャイチャしたりするとこなんか見たくない。



「やだ……帰りたくない……。今日は帰りたくないの……」



乾いていた涙が再び溢れだし、視界を歪ませる。


ポタポタと落ちていく涙。


唇を噛み締め、先生を見る。


困ったような笑みを浮かべ、私を見る先生。


やっぱり……やっぱり迷惑なんだ……。


何かあったら頼れって言ってたくせに、本当に頼られると迷惑なんだ。


頼れって言ったのは社交辞令だったんだ。