先生は車を公園の脇に路駐させた。
「先生?」
何で先生が車を路駐させたのかわからず、不安になって先生の横顔を見た。
「佐々木?」
先生が短くなったタバコを灰皿に押し付けて、こちらをチラッと見て、また前に向き直した。
「ん?」
「今、どうしてるんだ?仕事は?ちゃんと見つかったか?」
それを聞くために、ここに車を路駐させたのか……。
そう思って、安堵してる自分がいた。
「うん。まぁ、一応……ね……」
「そっか。その仕事は住み込みか?」
「うん」
「どんな仕事?」
「メイドさん。掃除したり洗濯したり食事作ったり……」
それに対して、何も言わない先生。
先生は何かを考えてるみたいに、前を向いたまま一点を見つめていた。



