はぁ……。 橋の上から流れる川を見下ろしていた。 西の空は真っ赤に染まって、川がキラキラ輝いている。 川を見下ろす私の横に置かれたキャリーバッグとボストンバッグ。 ほんの数分前、私は家を出た。 いや、正確には家を追い出された。 母親から“お前なんかいらない”と言われた。 私は捨てられたんだ。 血の繋がった母親から――。 これからどうすればいいんだろう……。 どうやって生きていけばいいんだろう……。