一通り説明を聞いた後、ソファーに座って、彼のいれたお茶を飲んでいた。
「そう言えば、自己紹介がまだだったね」
ソーサーにカップを置いて、彼がそう言った。
「あっ……」
そう言えば、私はまだ彼のこと何も知らなかったんだ……。
名前さえ聞いてなかった。
「俺の名前は和泉楓(イズミ カエデ)って言います」
和泉楓さん……かぁ……。
カッコイイ彼を表すような素敵で綺麗な名前。
「私は、佐々木凛子です。宜しくお願いします」
頭を軽く下げた。
「宜しくね。で、何て呼べばいいかな?」
「えっ?」
軽く下げていた頭を上げて、彼を見る。
「キミのこと、何て呼べばいい?」
「あ……えっと、好きなように呼んで下さい」
「そう?」
「はい」
「じゃー……」
彼は考えるようにそう言った。
そして……。
「呼び捨てでもいい?」
「あ、はい……」
そう返事はしたものの、呼び捨てで呼んでいいかって聞かれたことは"凛子"って呼ばれるんだよね?
男性に名前を呼び捨てで呼ばれたことなんかないのに……。



