彼は何か考えてるみたいにテーブルをジッと見つめたまま。
こんな時でもテーブルを見つめる彼の美しい姿にドキッとしてしまった。
先生と同じで迷惑に思ってるかも……。
とんでもない子が面接に来たと思ってるかもしれない……。
私はソファーから立ち上がり、キャリーバッグの取っ手を持った。
「どうした?」
彼が顔を上げて私を見る。
「か、帰ります……。ありがとうございました」
私は頭を下げて、荷物と共にリビングのドアに向かった。
「待って!」
後ろから聞こえる彼の声に、体がビクンと反応して、私はその場に立ち止まった。



