先生の言ってる意味が全くわからない。
私は先生に迎えに来るように頼んだ覚えがない。
「そんなとこに突っ立ってないで車に乗れ」
先生はそう言うと、さっさと運転席に乗ってしまった。
何?意味わかんない。
でも車に乗らなきゃ、私の荷物は先生の車のトランクの中だ。
私は後ろを通って助手席に回り車に乗った。
「先生?何でここにいるの?私が今日、ここを出ることは言ってないよねぇ?」
私は車に乗ってすぐに、頭の中にある疑問を先生にぶつけた。
「楓が……」
先生はそう呟いた。
「えっ?」
ご主人様?
「いや、何でもない。何て言うか……アレだ、テレパシー?勘?」
「はぁ?」
「あぁ!もぅ!何だっていいだろ?」
先生はそう言って、短くなったタバコを灰皿に押し付けると、エンジンをかけて車を発進させた。



