【先生×生徒シリーズ】運命のトライアングル




ご主人様が小指を離して、その手で私の手をギュッと握った。


そして……。


体をそのまま引っ張られて、ご主人様の胸に飛び込んだ。


私の体をギュッと強く抱きしめるご主人様。



「……ご主人、様?」



放心状態の私は、ご主人様に声をかけるだけが精一杯で……胸の鼓動が更に“ドキドキ”と早まる。



「凛子……」



耳元に、ご主人様の切ない声が響く。


それだけで意識を失い倒れてしまいそうだった。



「凛子……ありがとな……」



耳元でそう言ったご主人様。


私は何も言えず、首を左右に振ることしか出来なかった。