朝ご飯の後片付けを2人で一緒にした。
別れの時刻は、刻一刻と近づいてくる。
「凛子?これ……今月分……」
ご主人様は茶色い封筒を私に差し出した。
「ありがとうございます……」
お給料を素直に受け取り、鞄の中にしまった。
「ご主人様……いろいろと、お世話になりました……」
「…………うん」
「アヤさんと、幸せになって下さいね。アヤさんと生まれてくる赤ちゃんを沢山、沢山、愛してあげて下さいね」
「あぁ」
「約束ですよ?」
「あぁ、約束する」
ご主人様は、そっと小指を出してきた。
その小指に自分の小指を絡めた。
その時――……。



