「でもな、凛子と一緒に居られる最後の日くらい、朝ご飯を作って食べさせて送り出してやりたいと思ってさ……」
「ご主人様……」
私は持っていたフォークを置いた。
「でも、ゴメンな……。こんなまずいものを食べさせて……」
私は何も言わずに首を左右に振った。
最後まで優しいご主人様の気持ちに泣きそうになる。
最後は笑って出て行こうと決めてたのに……。
「ご主人様……ありがとう……」
そう言った途端、私の目からポロポロと涙がこぼれ落ちた。
「泣くなよ~」
ご主人様はクスッと笑って、手を伸ばして私の頬に触れた。
体が“ビクン”となって、静かだった胸の鼓動が“ドキドキ”と早くなっていった。
「最後くらい……笑っていよう?」
そう言うご主人様に、私は泣きながら笑顔を見せて“うんうん”と頷いた。



