その日の夜――。
アヤさんが帰った後、晩ご飯にと宅配ピザを頼んだけど、リビングのテーブルの上に置かれたまま、ご主人様も私も手を付けることはなかった。
呑気に宅配ピザを食べるような雰囲気じゃない。
食欲もない。
シンと静まったリビング。
昨日の朝まで……アヤさんに会うまでの楽しかった雰囲気はない。
「凛子……ゴメンな……」
突然、ご主人様が私に謝ってきた。
「謝らないで下さい……」
ご主人様に謝られる理由なんてないのに……。
「アヤに抱いてくれたら俺のことを忘れるって言われて、理性を抑えることが出来なかった……。男の汚い欲の部分が出てきてしまったんだ……」
ご主人様はそう言って、頭を抱えて髪の毛をクシャクシャとしていた。
そして……。
「ゴメンな……ホントにゴメンな……」
ご主人様はそう私に対して謝り続けていた。



