「先生……車…………えっ?」
この場にいない方がいい。
そう判断した私は車を出すように先生に言おうとした。
でも私が全て言い終わる前に、先生は車のエンジンを止めて、車から降りてしまった。
私も慌てて車から降りる。
「先生!待って!」
先生を止めようとしたけど、私の言葉なんか無視して、ご主人様とアヤさんの元に近付いて行く。
先生、ダメ!
私は先生の後を必死に付いて行く。
ご主人様とアヤさんの前で止まった先生。
私も先生の隣に並ぶ。
向かい合わせになった男女4人。
周りからはこの光景はどう見えてるんだろう……。
隣にいる先生の顔をチラッと見上げた。
先生の目は怒りに満ちていて……でも、どことなく悲しそうな……そんな目をしていた。



