次の日――。
目を開けると、私はベッドの上で寝ていた。
昨日、あのままベッドで寝ちゃったんだ……。
顔だけ横に向けると、テーブルが角に置かれ、テーブルのあった場所に敷かれた布団で先生が背中をこちらに向けて寝ていた。
今、何時くらいなんだろう……。
枕元に置かれた携帯を開いて見る。
――8時40分。
携帯を見つめたまま目を見開く私。
ゲッ!
うそ……。
私は慌ててベッドから下りて、先生の体を揺すった。
「せ、先生!先生!先生!先生!起きて!早く起きて!」
「あー?」
呑気な声を出して体をゴロンとこちらに向ける。
「先生!ヤバいよ!遅刻だよ!」
「はぁ?」
「はぁ?じゃなくて、何でそんなに呑気なの?もう9時前だよ!」
今日は休日ではなくて平日のはず……。
「俺さぁ、ここんとこ残業続きで、おまけに休日出勤もしたわけ。今日はその代休で休み」
「な、なーんだ……」
私は全身の力が一気に抜けたようになって、口からは力無い笑いが出て来た。