電話が切れた。 でもまた、すぐに電話がかかってきた。 「佐々木?携帯貸して?」 「えっ?」 「俺が出るから」 「えっ……でも……」 「佐々木は電話に出たくないんだろ?俺がちゃんと話してやるから。だから携帯貸して?」 先生が私に手を差し出す。 どうしよう……。 鳴り続ける携帯。 切れたら、またかかってくるかもしれない。 私はベッドから下りて、鞄の中から携帯を取り出して先生に渡した。 それと同時に携帯の着信音が鳴り止んだ。