カフェを出た途端に涙が溢れ、ポロポロとこぼれ落ちていった。 私にはアヤさんもご主人様も責める資格はないんだ。 わかってる。 それくらいわかってる。 でもね……何だろう……この胸のモヤモヤは……。 このどうしようもない感情は……。 凛子はどうしたいの? ご主人様と恋人同士になりたいの? 結婚したいの? そう自問自答してみる。 けど、自分がどうしたいのかわからなかった。 ただ、アヤさんが言った“妊娠”という言葉だけが頭をグルグル回り、胸のモヤモヤが苦しみと悲しみと痛みに変わってきた。