ここ?
指定された場所に10分前に着いた。
手にした手帳と、目の前の建物を交互に見る。
目の前にある建物はマンション。
高級そうな高層マンション。
恐る恐る中に入った。
「うわぁ!」
思わず声が出てしまった。
口を開けて上を見る。
吹き抜けのエントラスに高級そうなシャンデリア。
そこに高級感溢れるベージュのソファーとガラステーブルのセットが3セット置かれている。
マンションというよりホテルみたい。
当然、オートロックだから部屋番号を入力しないといけない。
私は教えられた部屋番号を押した。
『はい』
電話で話した男性と同じ声だ。
「あ、あの……面接に来た佐々木です……」
『あー、はい。お待ちしてました。開けるからどうぞ?』
「はい」
ロックが解除されたのか、ドアの前に立つと自動ドアが左右に開いた。



