アヤさんが、ぼんやりと窓の外を眺め始めてから何分くらい経ったんだろう……。
ティーポットから2杯目のロイヤルミルクティーをカップに注いでいた私は、そんなことを思っていた。
声をかけていいのか……そう思っていたけど……。
「あの……アヤさん?」
私はアヤさんに声をかけた。
「…………えっ?」
アヤさんの視線が窓から私に向けられる。
「紅茶……早く飲まないと冷めますよ?」
「あ、ゴメンなさい……。ボーとしちゃって……」
アヤさんはクスッと笑うと、キャラメルティーの入ったカップを持って一口飲んだ。
「あの……どうかしたんですか?」
私は思いきって、そう聞いてみた。
「えっ?あー……えっと……」
私は黙ったままアヤさんの答えを待つ。
アヤさんは、何か考えてるようにティーカップを見つめたまま黙ってしまった。



