「ゴメン……」
先生は、また謝ると私に頭を下げてきた。
「だーかーらー!もう、いいって!」
「佐々木……」
頭を上げた先生は私を見て私の名前を呟いた。
「もう、いいって……。だからね、先生?もう忘れよ?」
「あ……うん……」
先生は困った顔をして頭をポリポリかいた。
もう、終わったことなんだよ。
でも……。
あの時の先生の切ない声。
あの時の先生の温もり。
あの時の先生の甘い香り。
あの時の先生の甘い吐息。
全てを思い出して、私の胸は“ドキドキ”していた。
そして……。
私は頭の中で必死に、先生とのキスを忘れようと、好きなのは先生じゃないんだと言い聞かせていた……。



