“プルルル――プルルル――”
耳に響くコール音。
どんな人が出るんだろう……。
緊張から胸がドキドキする。
『はい……』
出たー!
しかも男性。
声の感じからして若い人かな?
「あ、あの……求人情報を見て電話したんですが……。あの……メイドの……」
『あぁー、はいはい』
「まだ、募集してますか?」
『してますよ』
「ほ、ホントにですか!?」
『えぇ』
良かった。
思いきって電話してみて良かった。
「で、あの……どうすれば……面接とか……」
『今日の夜は大丈夫?』
「あ、はい。大丈夫です」
『じゃー……今日の夜7時に、これから言う場所まで来てくれるかな?』
「はい」
私は鞄から手帳を出した。
手帳に挟んであったボールペンのキャップを口で開ける。
『いい?』
「あ、はい」
電話の向こうの男性は、来て欲しい場所の住所を言っていく。
それを手帳に書いていった。
これは男性の家の住所なのかな?
私は電話を切った後、手帳に書いた住所を見ていた。



