【先生×生徒シリーズ】運命のトライアングル





「わかってる……わかってるけど……私はやっぱり楓が好きなの……」



目を真っ赤に腫らして泣いてるアヤ。


もし……あの頃だったら……。


アヤのことを本気で好きだった、あの頃なら……俺はアヤの気持ちを受け入れてたのかもしれない……。


京介に嫉妬させるために彼氏役になった時のように――……。


でも今は……俺は……。



「アヤ?俺を困らせないでくれ……」


「あの子が好きだから?」


「えっ?」


「メイドさん……凛子さんが好きだから?だから私の気持ちには応えられないの?」


「そうだ……って、言ったら?」



俺はアヤの目を見てそう言った。


アヤの目から大粒の涙がポロポロとこぼれ落ちていく。


何も言って来ないアヤ。


見開いた目から、ただ涙がポロポロ落ちていくだけだった……。