どれくらい経ったのかわからない。
でも私の前に先生の車が横付けされた時、早いと思った。
助手席の窓が開き、先生が運転席から少し体を倒し、顔を覗かせるように私を見て「乗って?」と一言そう言った。
私は助手席のドアを開けて、車に乗り込む。
たった9ヶ月、先生に会っていなかっただけなのに懐かしいと感じると同時に、あのキスされたことが頭に浮かんだ。
そのことで私の胸の鼓動が早くなっていく。
“ドキドキ”と煩くて痛い。
恥ずかしくて先生の顔が見れない。
「久しぶりだな。元気にしてたか?」
「……うん」
そう小さく呟くと、先生は「そっか」と言って、車をゆっくり発進させた。



