「あの、お金は……私が一生かかっても必ず払いますから……」
「払わなくていい」
「ダメ!」
払わないなんてダメ。
ご主人様は私は悪くないと言ったけど、でも自分の母親のしたことは私の責任でもあって……。
私と関わらなければこんなことにならなかった。
「いいんだよ。さっきも言ったろ?凛子は何も悪くないって。それに、あの金で凛子は自由になれたんだ」
「でも……」
「だから凛子は喜んでいいんだよ」
ご主人様は私の頭を優しく撫で、子供に言い聞かすようにそう言った。
ゴメンなさい……ゴメンなさい…………。
私は心の中で何回も何回もご主人様に謝った。
ご主人様は私がお金を払うことを拒否し、逆に喜んでいいと言った。
だけど、母親のしたことが許されるわけじゃない。
でも今の私には謝ることしか出来なかった。
あんな脅迫紛いなことをした、あの人の血が自分の中にも流れてると思うと、再び体が震え出した。