「お金、ですか?」
「おっ?話が早いね~。わかってるじゃん」
母親の下品な笑いがリビングに響く。
「おいくら必要ですか?」
「そうだね~……500ってとこかな?警察に捕まって地位や名誉を無くすより安いだろ?」
「…………わかりました。ちょっとお待ち下さい」
えっ?
私はご主人様の顔を見た。
ご主人様は“大丈夫”だという優しい笑顔を私に見せて、ソファーから立つと、リビングを出て行った。
母親と2人きりのリビング。
何を話せばいいのかわからず、私は俯いたままでいた。
キツイ香水とタバコの匂いが鼻について吐き気がする。
早く私の前から、ご主人様の前からいなくなって欲しい……。



