「凛子のお母さん?」
「……ち、違う……違うんです……」
「何が違うんだ?私はアンタの母親だろ?」
私の前に来た母親は、そう言って私をキッと睨んだ。
あ……この目つき……。
久しぶりに見たこの目つき。
封印したはずの幼い頃の記憶が蘇る。
『お母さん、ゴメンなさい』
『ぶたないで?』
『いい子になるから。お願い……お母さん』
そう言って、泣きながら悲願した。
でも“うるさい!”と言って殴られる。
私の願いは聞いてもらえなかった。
あの頃の記憶……。
また殴られるんじゃないかと思う恐怖感が襲ってきた。



