「なーんて、嘘」
私はニッコリ微笑んで先生を見た。
「そっか……」
先生が安心したようにクスッと笑う。
「……うん」
私は窓の外を見ながら返事をした。
「なぁ、佐々木?」
「ん?」
「俺が言ってやろうか?」
「えっ?」
視線を窓の外から先生に移す。
「お母さんに……俺から言ってやろうか?」
「何言っても聞くような人じゃないよ」
私はそうポツリと呟いた。
話してわかるような人なら、常識のある人なら、血の繋がった子供を捨てないよ……。
「どっか住み込みで働けるとこを探すよ」
私はそう言って、冷めきったハンバーグを無理矢理、口に運んだ。



