結局、ご主人様はカップとティーポットのセットを買った。
私は春らしい桜を使った紅茶とフルーティーな香りの紅茶を買った。
「ご飯、行こっか?」
「はい」
お店を出て駐車場に向かう。
「なぁ、凛子?」
「はい」
「あのさ……もう1回、手繋いでもいい?」
「えっ?」
「ダメ?」
ダメなわけないよ。
ただ、ご主人様からそんなこと言ってもらえるなんて思ってなくてビックリしただけ。
私は、ご主人様から目線を外すと、何も言わずに首を左右に振った。
と、同時に私の手にご主人様の手の温もりが伝わってきた。
お店の中と同じように、恋人繋ぎにするご主人様。
口から心臓が飛び出して来そうなくらいドキドキしていた。