ご主人様の綺麗な手が車のハンドルを握り、少し斜めに構えて運転する姿は胸をドキドキさせる。
「何が食べたい?」
「へっ?」
突然、何が食べたいか聞かれて驚いて声を上げた。
「何、考えてたの?」
そう言ってクスクス笑うご主人様。
ご主人様のことを……。
なんて言えるはずもなく。
「ボーとしてました。私って普段からボーとしてるから……」
と、笑いながら答えた。
「で、何が食べたい?」
「あ、な、何でも。私、好き嫌いないですから」
「了解。あっ!その前に、ちょっと付き合ってもらいたいとこがあるんだけど……いいかな?」
「はい……」
付き合ってもらいたいとこってどこだろう?